源氏香genjiko
茶道・華道と並び日本の芸道に香道があります。仏教とともに伝わった香木を焚くという香文化は、やがて宗教儀礼を離れ、香りを聞いて鑑賞する上流階級の芸道に発展しました。江戸時代になるとその流派は百を超え、武家から庶民にまで広がっていきました。
「源氏香」は、組香と言われる香の種類を聞きあてる遊びの一つです。五種類の香を縦線五本で表し、順に聞いた香が、同じものの上部を横線で結んで図形で答えます。その図形が五十二通りあることから源氏物語にあてはめてできたのが源氏香の図と言われています。
最近では、それぞれの図形に源氏物語のロマンチックなストーリーがあり、遊び心を感じさせることから着物、帯、漆器のデザインにも用いられています。図案家谷本一郎氏によって現代的な和紙柄にアレンジし、お洒落な缶になって登場です。